茨城県北クリエイティブプロジェクト

読む包装紙を制作 — 親子3代の想いがつまった「どらやき」「もなか」の “ものがたり” を聞き書き、伝える。

クリエイターやクリエイティブ企業のみなさんに、具体的な仕事を通じて、茨城県北地域に関わるきっかけをコーディネートする『きっかけワーク』。今回は、ライターなど、取材を通じて文章を書く方々、なかでも文章の形をした「物語の力」を信じてやまない方に、ぜひ読んでもらいたい内容です。

茨城県最北に位置する北茨城市。その中でも、さらに最北に位置するのが平潟地区です。この街に、風月堂菓子舗(以下、風月堂)という明治25年より続く、老舗の和洋菓子屋があります。ここで5代目を継ぐのが小野悟志さん(33歳)です。

風月堂の126年の歩みは、つねに家族とともにありました。今も現役で働く3代目のお祖父さん、4代目のお父さん、そしてお母さんも毎日一緒に仕事をしています。「僕が小さい頃、父や母はお店にいて忙しく、いつも祖母に面倒を見てもらっていました」ご両親が働く背中を遠まきに見ながら、悟志さんは育ちました。

▼お父さんの小野亮一さん、お父さんの専門は洋菓子。

地域密着の菓子屋としての苦労や商品の製造の方法、家族経営ならではのエピソードについて一通り聞き終えた後、悟志さんがこう言いました。

「世間ではよく、ものがたり、ものがたりって言いますよね。ものがたりが大事だって。でも、そんなに大事なのかなって思うんですよね」

その真意が、ものがたり自体を否定するわけでないことは、すぐに分かります。物やサービスに溢れる現代において、付加価値を付ける目的だけのものがたりが多産多用される現状に、実直な日々の仕事を積み重ねている立場からすれば、疑問を持つのは当然のことと思います。

120年以上続く菓子屋であるにも関わらず、風月堂には表立った仰々しい宣伝物語が見当たりません。店内を見渡しても、製造現場を拝見させていただいても、良い意味で普通。ですが、あんこの作り方ひとつにしても手間暇をかけています。「まちのお菓子屋さんでありたい」悟志さんがそう言うように、ここには、人の手で丁寧に作られたお菓子と、それを支える仕事が淡々と存在しているように思えるのです。

しかし、そんな風月堂において、その歩みを語らずして語りかけてくるものがあります。それが、名物菓子の「どらやき」と「もなか」です。どらやきには数種類のバリエーションがあり、もなかは北茨城の名所「六角堂」が形どられています。ともに、お祖父さんの代からのヒット商品で、このまちに暮らす人々に長年愛されてきました。

▼人の掌で作られたことが分かる形をした、どらやき。生地のしっとり感、あんこの程よい甘さ。時代を超えた、素朴などらやき。茨城県北地域の名産の豆「常陸大黒」を使ったどらやきなども美味。

▼珍しい海苔餡が入った白いもなかは、漁港風土のあるこの地ならでは。もなかの食感を維持するために、あんこの水分加減を調整するのは、お祖父さんから引き継いだ悟志さんの職人仕事。

流行の浮き沈みが激しいお菓子市場において、こうしたお菓子に派手さはないのかもしれません。しかし、どうしてか口にほうばった時のなんとも言えない味わい(それを優しさというのか、豊かさというのかは分かりませんが…)から、私たちが失ってはいけない何かを伝えてくれるように思えてなりません。

そこで、今回のきっかけワークが生まれました。「お店の包装紙をどうにかならないかなと考えていて…」と悟志さんの発言をうけて、単に素敵なデザインが施された包装紙ではなく、風月堂の歩みと営みをそのまま伝えることができる包装紙 — そ「どらやき」「もなか」にまつわる “ものがたり” を文章にして、読むことができる小説のような包装紙があると面白いかもしれない。それは、付加価値を付けるだけのために存在するものがたりではなく、地域と家族とともに在る、風月堂の姿を映す “ものがたり” になるのかもしれない。

▼現在の包装紙、北茨城の名所「六角堂」がイラストで描かれています。

気になった方、ぜひ下記詳細を一読の上、ご応募ください。

茨城県北でクリエイティブに生きていく”きっかけワーク”Vol.07
【内容】「風月堂菓子舗」読む包装紙を制作

・執筆からデザインにして入稿、印刷した現物を納品するまで(分業可)

【事業地域】北茨城市

【報酬】要調整

【募集期間】2018年12月末まで

【求められるスキル等】

優先事項 ① 取材をもとに文章を書くお仕事をされている方、または今後したい方

優先事項 ② お菓子が好きな方

【注意事項】※必ず事前にお読みください

・案件が成立するまでの、現地までの交通費等はご負担ください。

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