冠動脈疾患と女性の健康―知っておきたい基本と対策

冠動脈疾患は男性だけの問題だと思いがちですが、実は女性でも罹患率は上がっています。特に閉経後はエストロゲンが減ることで血管が硬くなりやすく、心臓への血流が妨げられるリスクが高まります。この記事では、女性が知っておくべきリスク要因や典型的な症状、診断の流れ、そして日常でできる予防策をざっくりまとめました。

女性に多いリスク要因

まずはリスクを把握しましょう。喫煙は男女ともに心臓病の大敵ですが、女性は受動喫煙の影響も大きいです。高血圧や高コレステロールは年齢とともに上がりやすく、特に糖尿病を抱えていると血管が傷つきやすくなります。さらに、ストレスや睡眠不足も血管の炎症を招きやすいので、生活習慣全体を見直すことが大切です。

閉経後のホルモン変化は見逃せません。エストロゲンは血管を柔らかく保つ働きがあるので、減少すると動脈硬化が進みやすくなります。医師と相談してホルモン補充療法や栄養素の摂取を検討すると良いでしょう。

日常でできる予防と対処法

予防はシンプルです。まずは食事。野菜・果物中心で、飽和脂肪酸は控えめに。オメガ‑3脂肪酸が豊富な魚やナッツは血液をサラサラに保ちます。次に運動。週に150分程度の有酸素運動（ウォーキングや自転車）が目安です。無理なく続けられるペースで、心拍数が上がる程度がポイントです。

体重管理も重要です。BMIが25を超えると冠動脈疾患のリスクが上がります。定期的に体重とウエストをチェックし、少しずつでも減らす努力をしましょう。睡眠は毎晩7〜8時間確保し、リラックスできる時間を作ることがストレス軽減につながります。

症状が出たらすぐに受診が必要です。女性は胸の痛みだけでなく、胸の圧迫感や背中・顎の痛み、息切れ、吐き気などがサインになることがあります。これらは男性の典型的な胸痛と違うため、見過ごしがちです。胸の違和感を感じたら、すぐに医師に相談してください。

診断は心電図や血液検査、CTやカテーテル検査で行います。検査結果に基づき、薬物治療（スタチンや血小板抑制薬）や場合によってはカテーテル治療が提案されます。女性は出血リスクが高まることがあるので、医師と副作用についてしっかり話し合いましょう。

最後に、情報は常にアップデートが必要です。新しい薬や治療法が続々登場しています。けんぽく創薬のタグページでは、最新の研究や臨床ガイドライン、患者さんの体験談を随時追加していますので、ぜひ定期的にチェックしてください。

自分の体と向き合い、リスクを知り、生活習慣を見直すだけで冠動脈疾患の予防に大きく近づけます。今すぐできることから始めて、健康な心臓を守りましょう。