HIV啓発：知っておきたい基礎と実践的な予防・検査

「HIVはもう過去の話」と思っていませんか？実は、毎年日本でも数千人が新たに感染しています。知識が足りないと不安だけが増えるし、逆に正しい情報があれば自分やパートナーを守れるんです。ここでは、HIVについての基本と、すぐに実践できる予防・検査のポイントをまとめました。

1. HIVって何？仕組みと感染経路の基本

HIVはヒト免疫不全ウイルスの略で、体の免疫細胞（CD4+ T細胞）に侵入して破壊します。感染が進むと、免疫力が低下してさまざまな病気にかかりやすくなるエイズ（後天性免疫不全症候群）へと移行します。

主な感染経路は３つです。

• 血液：注射針や医療機器の不適切な使用。
• 性行為：コンドームを正しく使用しない場合。
• 母子感染：妊娠・出産・授乳時。

日常生活での接触（握手や共有のタオル）で感染することはありません。だから、過度な恐怖は不要です。

2. 予防と検査：誰でもできる具体的なステップ

予防は「知る」から「行動」に移すことが大事です。まずはコンドームの正しい装着法を確認しましょう。外用の潤滑剤を併用すれば破れにくくなります。

注射器を使う機会があるなら、必ず使い捨てのものを選び、再利用しないでください。医療機関での血液検査や輸血は、すべて安全基準が徹底されています。

検査はシンプルです。血液や口腔内の液体を採取して、抗体・抗原の有無を調べます。結果は数日で出ることが多く、もし陽性であっても早期に治療を始めればウイルス量を抑え、健康な日常を維持できます。

検査は匿名で受けられるクリニックや保健所が全国にあります。費用は無料または低額で、予約なしでも受けられるところが増えているので、気軽に利用してください。

もし検査結果が陽性だったら、すぐに専門医と相談し、抗レトロウイルス薬（ART）の治療計画を立てましょう。最近の薬は副作用が少なく、毎日１回の服薬でウイルスを抑えることが可能です。

最後に、周囲への配慮も忘れずに。HIV陽性者への偏見や差別は根拠がありません。正しい情報を共有し、安心できる環境を作ることが啓発の本質です。

覚えておきたいポイントは、1) コンドームと清潔な注射器の使用、2) 定期的な検査、3) 陽性でも治療でコントロール可能、の３つです。今日からできる小さな行動が、あなたと大切な人の健康を守ります。