パーキンソン 運動療法の基本と実践ポイント

パーキンソン病と診断されたら、薬だけでなく運動も大事だということ、知っていますか？筋肉が固くなったり、歩き方が不安定になったりするのは、脳のドーパミンが減るせいです。運動はその不足を補う手助けをしてくれます。ここでは、症状を緩和するためのシンプルなエクササイズと、続けやすいコツを紹介します。

なぜ運動が必要？

運動は脳の可塑性を高め、残っているドーパミンの働きをサポートします。定期的に体を動かすと、筋力が保たれ、バランス感覚が向上し、転倒リスクが下がります。さらに、心拍数が上がることで血流が改善され、全身に酸素が行き渡ります。結果として、日常生活の動作がスムーズになり、疲れにくくなるんです。医師や理学療法士が推奨するのは、無理なく続けられる中強度の運動です。

おすすめのエクササイズ例

以下のエクササイズは、特別な器具がなくても自宅でできるものです。1日10分、週に3回を目安に始めてみましょう。

• ストレッチウォーク：室内で足幅を肩幅に開き、ゆっくり前に歩きます。歩幅は小さめにし、足の裏全体で地面を感じながら足裏の感覚を意識します。5分ほど続け、途中で体側のストレッチを入れると効果的です。
• 椅子スクワット：背もたれのある椅子の前に立ち、ゆっくり腰を落とします。椅子に座る直前で止め、ゆっくり立ち上がる動作を10回繰り返します。太ももとお尻の筋肉が鍛えられ、立ち上がりが楽になります。
• 足踏みリズムトレーニング：音楽に合わせてその場で足踏みします。リズムが一定だと歩行リズムが安定し、転倒防止につながります。好きな曲を選んで、30秒ずつ強度を上げていくと飽きません。
• バランス板エクササイズ：厚手のタオルやクッションを床に置き、片足で乗ります。最初は壁や椅子に手を添えて安全に。30秒～1分を目安に左右交互に行いましょう。足首とふくらはぎの筋肉が刺激されます。
• 深呼吸とストレッチ：座って背筋を伸ばし、ゆっくり息を吸い込んで胸を開きます。その後、息を吐きながら肩と首を左右に倒すストレッチを行います。呼吸が安定すると、筋肉の緊張が和らぎます。

ポイントは「ゆっくり・確実」に動くことです。急に速すぎると怪我のリスクが上がります。最初は回数や時間を少なめに設定し、体が慣れたら徐々に増やしていきましょう。痛みが出たらすぐ中止し、医師に相談してください。

運動療法は習慣化がカギです。スマホのリマインダーを使ったり、家族と一緒に行うと続けやすくなります。自分の体調と相談しながら、無理なく続けられるペースを見つけてください。毎日の小さな積み重ねが、パーキンソン症状の進行を遅らせ、生活の質を高めます。