子どもの関節炎とは?症状・原因・治療の最新ガイド【2025年版】

- 三浦 梨沙
- 10 8月 2025
- 1 コメント
子どもの関節が腫れて痛がったり、歩きづらそうにしている姿に驚いたことはありませんか?それ、もしかしたら『若年性関節炎』(Juvenile Idiopathic Arthritis:JIA)かもしれません。日本では1000人に1〜2人の子どもがかかると言われていて、決して珍しい病気じゃないんです。放っておくと関節の変形だけでなく、日常生活や成長にも影響してしまうことも。この記事を読めば、若年性関節炎の主な症状やチェックすべきサイン、医療現場のリアルな治療法がわかり、親としてどう向き合えばいいか具体的にイメージできるはず。
若年性関節炎(JIA)の症状:よくあるサインと見逃しやすいケース
子どもの『関節炎』は大人の関節リウマチとはちょっと違います。一番多い症状は、以下のもの。
- 朝起きたばかりの手足のこわばり、重だるさ
- ひざ、足首、手首などの関節が腫れている
- 痛みを訴えずに使わなくなる(痛いと言わずに引きずる!)
- 発熱(39度近く出ることも)や、肌に赤みや発疹が出ることも
意外に多いのが、「転んでケガした?」「成長痛?」と思いこんでしまって、見過ごしてしまうパターン。特に未就学児は痛みをうまく言葉で伝えられず、『なんか歩き方が変…』だけで気づくことも。熱が上がったり下がったりを繰り返す、毎朝関節の動きが悪い、片足だけを引きずる——こうした様子が続くときは、小児科やリウマチ専門医を一度受診してみてください。
症状 | 頻度 | 見逃しやすさ |
---|---|---|
ひざ・手首の腫れ | 70%程度 | 高 |
朝のこわばり | 約60% | 中 |
発熱・全身倦怠感 | 30% | 高(風邪に間違いやすい) |
このように、『若年性関節炎』は、最初は風邪やけが、成長痛と区別がつきづらいのが問題。親も「うちの子、他の子と歩き方が違う?」といった違和感を大事にしたいですね。
若年性関節炎の原因と発症リスク:なぜ子どもに起こる?
「どうしてうちの子だけが?」と悩む親御さんは少なくありません。でも正直、若年性関節炎の発症原因は2025年の今も、まだハッキリとはわかっていません。ただ、免疫の働きがおかしくなって、自分の体(関節)を自分で攻撃してしまう『自己免疫性疾患』が有力です。
今までの研究から、次のような要素が発症しやすさに関係しているとされています:
- 家族にリウマチ性疾患など自己免疫の病気がある
- 女の子の方が男の子より発症率が高い(日本では男女比1:2)
- 1歳~15歳の間に発症することが多く、特に4歳前後の発症が目立つ
この病気は感染症やけがが直接の原因じゃありません。ストレスや大きな環境の変化が引き金になる例も一部見られますが、ワクチンが原因になることはほぼない、と厚生労働省も報告しています。
「ひとり親で医療受診が難しい」「育児や仕事で忙しいから見落としがち」など、生活状況も気づきに関連することがあるので、気になったら遠慮せず相談してほしいです。

治療の進め方と生活で気をつけるポイント(2025年現在)
いいニュースもあります。20年前と比べて、今は治療の選択肢がグッと広がりました。早く適切な治療を始めれば元通りの生活や運動ができる可能性も上がっています。
治療の主な流れは次の通り。
- 炎症や痛みをおさえる薬(非ステロイド系抗炎症薬、必要に応じてステロイドなど)
- 免疫の異常をコントロールする薬(メトトレキサートなどの抗リウマチ薬や生物学的製剤)
- リハビリや物理療法:関節を固まらせずに柔らかく保つために運動指導も
ここ数年は「生物学的製剤」(バイオ医薬品)という注射タイプや点滴の新薬も使えるようになり、難治性の子にも光が見えています。副作用や合併症が心配なときは、担当医としっかり相談しましょう。
治療以外で大切なコツもまとめてみました:
- 体調や関節の写真を撮って記録する(診察や薬の調整時に役立つ)
- 忙しいときこそ学校や園に「病気について説明・相談する」
- 痛みのピーク時は無理させず、安心できる環境作りを意識する
2025年夏現在、日本では自治体によっては「小児慢性特定疾病」として医療費助成が受けられる仕組みが整っています。マイナンバーカードで手続きもスムーズになっているので、医療ソーシャルワーカーに相談してみてください。
治療法 | 特徴 | 注意点 |
---|---|---|
非ステロイド系抗炎症薬 | 痛み・腫れの緩和 | 胃腸障害、長期使用は注意 |
メトトレキサート(抗リウマチ薬) | 免疫の異常を抑える | 定期的な血液検査が必要 |
生物学的製剤 | 注射や点滴、重症例に効果 | 感染症リスク管理が肝心 |
学校生活、体育、クラブ活動——すぐに「全部禁止!」ではなく、体調と相談しながら部分的に参加できることも増えてきています。無理に全部休む必要はありません。自分で病気や症状を説明できるようサポートしてあげると、本人の自信にもつながります。
チェック項目 | 該当したら? |
---|---|
1週間以上続く関節の腫れやだるさ | 小児科/リウマチ専門医へ相談 |
朝だけ手足がぎこちない | 要観察:記録をとる |
発熱と関節痛がセットで続く | すぐ医療機関を受診 |
子どもが日々笑って生活できるように、早期発見と早期治療がやっぱり一番の近道です。
よくある質問(FAQ)
- Q:若年性関節炎は治りますか?
A:適切な治療で多くの子は症状が落ち着き、普通の生活ができるようになりますが、長期的な経過観察が必要です。 - Q:運動はしてもいい?
A:痛みや腫れが強いときは控えますが、落ち着いているタイミングなら医師と相談して無理のない範囲で体を動かしましょう。 - Q:ワクチンとの関係は?
A:ワクチンが原因になることはほぼありません。主治医に相談しつつ、必要な予防接種は受けましょう。 - Q:家や学校で気をつけることは?
A:体調の変化を記録する、体育や外遊びは無理せず調整する。本人の話をしっかり聴いて、困ったら相談しやすい環境作りを。 - Q:医療費の心配がある場合は?
A:市町村の「小児慢性特定疾病」医療費助成を利用できます。受付窓口で相談しましょう。

状況別 次の一手
- 「あれ?歩き方が変」のとき:スマホで動画・写真を記録、保育園や先生と相談。3日以上続いたら受診目安に。
- もう診断された場合:診療メモや体調日記を続ける、疑問や不安は医療者に遠慮なく伝える。
- 薬や治療への不安:新しい薬の利点・副作用を医師から直接聞く、似た体験を持つ親同士のコミュニティに目を通す。
気になったら「これくらいで大丈夫かな?」と迷わず、家族ごと丸ごと悩みを話せる小児科やリウマチ専門医に早めに相談するのが一番です。
コメント
Ryo Enai
朝のぎこちなさや片足だけ引きずる様子は絶対に見逃さないで。😬
写真や動画を撮っておくとあとで証拠になるし、診察で話が通じやすくなる。
8月 22, 2025 AT 12:35