ジェネリック薬の不活性成分へのアレルギー対処法
- 三浦 梨沙
- 7 2月 2026
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ジェネリック薬は、ブランド薬と同じ有効成分を使って、安く手に入る薬です。でも、ジェネリック薬が安全だとは限らないのです。なぜなら、有効成分は同じでも、不活性成分が違うからです。この不活性成分が、実はアレルギーの原因になることがあります。
不活性成分とは何ですか?
薬には、病気を治すための「有効成分」と、薬の形を整えるための「不活性成分」があります。不活性成分は、薬を固めたり、味を良くしたり、保存を長くしたりするためのものです。例えば、錠剤の形を作るための乳糖、色をつけるための食用色素、錠剤を包むためのゼラチンなどです。
これらは「薬効がないから大丈夫」と思われがちですが、実際はそうではありません。2019年にブリガム・アンド・ウィメンズ病院とMITの研究チームが、米国で使われている4万2千種類以上の経口薬を調査しました。その結果、92.8%の薬に、少なくとも1つのアレルギーを引き起こす可能性のある不活性成分が含まれていることが分かりました。乳糖は20%以上の処方薬に、食用色素は33%の薬に使われています。さらに、93%の薬には、ピーナッツ油や乳成分、大豆油といったアレルゲンが含まれている可能性があります。
ジェネリックとブランド薬の違い
ジェネリック薬は、有効成分の吸収速度や量がブランド薬と同等であることを確認すれば、市場に出せます。しかし、不活性成分は、全く同じである必要がないのです。そのため、同じ薬でも、ブランド薬とジェネリックでは、錠剤の色、形、味、そしてアレルギーの原因になる成分が違うことがあります。
例えば、喘息の薬「Singulair(シンキュア)」では、10mgの錠剤には乳糖が含まれていますが、4mgや5mgの錠剤には含まれていません。同じ薬なのに、量が違うだけで成分が変わるのです。ジェネリック薬では、さらにその差が大きくなることがあります。ある患者がブランド薬からジェネリックに切り替えた後、蕁麻疹や胃もたれが起きたというケースが、薬局の現場ではよくあります。アメリカの薬剤師協会によると、87%の薬剤師が、患者から「ジェネリックに変えたら体調が悪くなった」という相談を受けた経験があります。
アレルギーを引き起こす主な不活性成分
特に注意が必要な不活性成分は以下の通りです:
- 乳糖:乳製品アレルギーの人に危険。多くの処方薬に使われている。
- グルテン:セリアック病の患者にとって致命的。薬の錠剤やカプセルの接着剤として使われることがある。
- 食用色素(FD&Cイエロー#5、レッド#40など):アレルギー反応や過敏症を引き起こす可能性がある。
- ゼラチン:豚や牛の由来。豚肉アレルギーや宗教的制限のある人にとって問題。
- ピーナッツ油:アレルギー反応が重篤になる可能性があり、米国では表示が義務付けられている。
- 亜硫酸塩(ナトリウムメタビスulfiteなど):喘息の発作を引き起こすことがある。薬の防腐剤として使われる。
- 大豆油:大豆アレルギーの人に注意。カプセルの潤滑剤や溶媒として使われる。
これらの成分は、薬のパッケージに「不活性成分」として記載されていますが、日本ではその表示が曖昧です。欧州では2019年からすべての不活性成分の表示が義務化され、アレルギー反応が37%減少したとされています。しかし、米国や日本では、乳糖やグルテンの表示はまだ義務ではありません。
どうすれば安全に薬を選びられるか?
アレルギーがある人は、以下のステップで対策できます:
- 自分のアレルギーを正確に把握する:アレルギー科で、乳糖、グルテン、大豆、卵など、どの成分に反応するかを確認しましょう。
- 薬の成分を必ず確認する:処方薬なら、薬剤師に「不活性成分のリスト」を求めてください。市販薬なら、パッケージの裏に記載されています。
- ジェネリックに切り替える前に相談する:薬局で「この薬のジェネリックは、乳糖やグルテンを使っていますか?」と聞くことが大切です。
- 特定の製品をリクエストする:乳糖フリーのジェネリックや、カプセルタイプ(ゼラチンを使わない)の薬が存在する場合があります。薬剤師に「アレルギー対応の製品」を聞いてみてください。
- 薬を変えるときは様子を見る:新しい薬を飲み始めた日から3日間は、皮膚のかゆみ、胃の不快感、呼吸の変化などに注意しましょう。
薬剤師は、この問題に最も詳しい専門家です。日本でも、42%の薬局が電子カルテにアレルギー成分のフィルターを導入しています。薬をもらうときに「この薬に乳糖は入っていますか?」と聞くのは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、命を守る行動です。
今後の改善と課題
2022年、米国FDAは、乳糖、グルテン、ピーナッツ油、亜硫酸塩など8つの高リスク成分の表示を義務化する案を発表しました。しかし、2026年2月現在、まだ正式なルールにはなっていません。日本でも、同様の動きは遅れています。
一方で、MITが開発したアプリ「Inactive Ingredient Finder」は、98%の米国薬品の成分を検索できるようになっています。日本でも、このようなツールが今後必要になるでしょう。また、2027年までに、新しいジェネリック薬の30%がアレルゲンフリーの選択肢を提供するという予測もあります。
しかし、高齢者は平均して1日に5種類以上の薬を飲んでいます。一つ一つの薬に微量のアレルゲンが含まれていると、体内に蓄積して、思わぬ反応を引き起こすことがあります。この「アレルゲンの累積効果」は、医療現場でも十分に認識されていません。
まとめ:薬は「有効成分」だけではない
ジェネリック薬は安いから安心、という考えは危険です。薬は、あなたの体に直接入るものです。有効成分が同じでも、不活性成分が違うだけで、蕁麻疹、呼吸困難、腹痛、下痢といった症状が出る可能性があります。
あなたのアレルギーを守るのは、医師でも薬のメーカーでもなく、あなた自身と薬剤師です。薬をもらうたびに「この薬に何が入っているか?」と聞く習慣をつけてください。それが、安全な薬使いの第一歩です。
コメント
Midori Kokoa
ジェネリック薬の不活性成分、本当に気をつけないと。薬局で『乳糖フリーですか?』って聞くのが普通になってほしい。
2月 8, 2026 AT 16:18