認可ジェネリック薬の一覧:どの薬がこのオプションを提供しているか

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病気の治療に使う薬が高くて困っている人は、意外と多いです。特に長期的に薬を飲み続けている人にとっては、月々の薬代が家計を圧迫することもあります。そんなとき、認可ジェネリックという選択肢があるのをご存じですか?これは、ブランド薬と同じ成分で、同じ効き目を持ちながら、価格がずっと安い薬です。でも、普通のジェネリックとは少し違うんです。

認可ジェネリックって何?

認可ジェネリックとは、ブランド薬の製造会社が、自社で作っている同じ薬を、ブランド名を外して販売するものです。FDA(米国食品医薬品局)の定義では、『ブランド薬とまったく同じ成分で、ラベルにブランド名が書かれていないだけの薬』とされています。つまり、中身はまったく同じ。錠剤の色や形が違うだけ、という場合もありますが、有効成分も不活性成分も、ブランド薬と100%一致しています。

普通のジェネリックは、ブランド薬と同じ有効成分であればOKで、不活性成分(着色剤や充填剤など)は変えていいことになっています。でも、その違いが体に影響を及ぼすケースがあるんです。特に、甲状腺ホルモン薬のレボチロキシンや血液凝固薬のワーファリンのように、体への反応が非常に敏感な薬では、不活性成分の違いで効き目が変わることがあります。認可ジェネリックは、こうした患者にとって、安全な選択肢になります。

認可ジェネリックと普通のジェネリックの違い

認可ジェネリックと普通のジェネリック、どちらも安くなるという点では同じですが、根本的な違いがあります。

  • 認可ジェネリック:ブランド薬と同じ製造ラインで、同じ配方で作られる。FDAの承認はブランド薬のNDA(新薬申請)に基づいており、別途ジェネリックの承認(ANDA)は不要。
  • 普通のジェネリック:別会社が、ブランド薬と同等の効果を示すために、独自の配方で製造。有効成分は同じだが、不活性成分は異なる可能性がある。FDAの承認はANDAが必要。

この違いが、価格と安心感の両方に関わってきます。認可ジェネリックは、ブランド薬の製造会社が直接販売しているため、品質の信頼性が高く、特に薬の効果が細かく調整が必要な患者にとって安心です。

認可ジェネリックが提供されている主な薬

現在、FDAが公表している認可ジェネリックは、2025年10月時点で200種類以上あります。以下は、日本でも関心が高い代表的な薬の例です。

  • コルヒチン(ブランド薬:Colcrys):痛風の治療に使われる。不活性成分の違いで胃の不快感が出やすい患者に、認可ジェネリックが有効とされています。
  • メチルフェニデートER(ブランド薬:Concerta):注意欠陥・多動性障害(ADHD)の治療薬。長時間効果が持続する製剤で、普通のジェネリックでは効き方が不安定だった患者が、認可ジェネリックに切り替えた後に症状が安定したという報告があります。
  • セレコキシブ(ブランド薬:Celebrex):関節炎や痛みの治療に使われるCOX-2阻害剤。胃への負担が少ないのが特徴で、認可ジェネリックは同じ安全性を保っています。
  • レボチロキシン(ブランド薬:Unithroid):甲状腺機能低下症の治療薬。不活性成分の違いで、血中濃度が変動しやすい薬です。認可ジェネリックは、普通のジェネリックで体調が悪くなった患者の救済手段として広く使われています。
  • アルブテロール吸入剤(ブランド薬:ProAir HFA):喘息の発作を抑える吸入薬。2019年に認可ジェネリックが登場し、価格が大幅に下がりました。
  • エムパグリフロジン(ブランド薬:Jardiance):2型糖尿病の治療薬。2025年10月に新しく認可ジェネリックが追加されました。

これらの薬は、すべてブランド薬と同じ製造工場で、同じ工程で作られています。薬のパッケージにはブランド名がなく、代わりに製造会社名と薬の一般名が書かれています。

薬局の棚の前で不安そうに薬を見つめる患者、一つの箱だけが光り、他の薬は影に沈んでいる。

なぜすべての薬に認可ジェネリックがないの?

残念ながら、すべてのブランド薬に認可ジェネリックがあるわけではありません。現在、市場に出ているブランド薬のうち、認可ジェネリックが提供されているのは約10%にすぎません。

その理由は、製薬会社の戦略にあります。認可ジェネリックは、ブランド薬の特許が切れたあとに、自社の市場シェアを守るための「戦略的ツール」です。たとえば、他のジェネリックメーカーが市場に参入しようとしたとき、製薬会社が自ら認可ジェネリックを発売することで、価格競争を抑え、収益を維持しようとするのです。

研究によると、認可ジェネリックが存在する薬では、特許切れた直後の価格下落が、存在しない薬に比べて15%程度小さくなる傾向があります。つまり、消費者にとっては価格が下がりにくい、というデメリットもあるのです。

薬局で認可ジェネリックを手に入れるには?

認可ジェネリックは、普通のジェネリックと同じように、処方箋で薬局で受け取れます。ただし、薬剤師が「認可ジェネリック」を自動的に出してくれるわけではありません。

処方箋に「ジェネリック可」と書いてあっても、薬局のシステムでは「普通のジェネリック」が優先されることがあります。そのため、薬局で「認可ジェネリックが欲しい」と明確に伝える必要があります。

薬のパッケージや錠剤の見た目が、今まで飲んでいたブランド薬と違うと、不安になる人もいます。でも、薬剤師に「これはブランド薬と中身がまったく同じです」と説明してもらえれば安心できます。アメリカ薬剤師協会(APhA)は、患者への説明としてこう勧めています:「形や色が違っても、中身は同じ薬です。安全に切り替えて大丈夫です」

心電図の波形が安定する様子を左右で対比させ、薬の効果の違いを象徴する医療的な構図。

認可ジェネリックの今後

2025年には、新たに17種類の認可ジェネリックがFDAのリストに追加されました。特に、糖尿病薬や高血圧薬など、長期服用が必要な薬での導入が進んでいます。

今後も、製薬会社は認可ジェネリックを戦略的に活用し続けると予想されています。2027年までに、年間の新規認可ジェネリックの数は5~7%増加すると見られています。

一方で、政府の研究機関(CBO)は、認可ジェネリックが「価格の下落を遅らせている可能性がある」と指摘しています。つまり、安くなるはずの薬が、思ったほど安くなっていないという問題です。

それでも、認可ジェネリックは、普通のジェネリックで体調を崩した人、あるいは「同じ薬を使い続けたい」と考える人にとっては、貴重な選択肢です。特に、甲状腺疾患、てんかん、心臓病、糖尿病などの薬では、成分の微細な違いが大きな影響を及ぼすため、認可ジェネリックの存在は、命を守る意味でも重要です。

まとめ:あなたに合う薬を選ぶために

  • 認可ジェネリックは、ブランド薬と「まったく同じ」薬です。価格は安いです。
  • 普通のジェネリックで体調が悪くなった人は、認可ジェネリックを試す価値があります。
  • すべての薬に認可ジェネリックがあるわけではありません。FDAの公式リストで確認しましょう。
  • 薬局では「認可ジェネリックを希望します」と伝える必要があります。
  • 見た目が違っても、中身は同じ。薬剤師に確認して安心してください。

薬は、体に直接影響するものです。安さだけではなく、安全性と安定性も大切。認可ジェネリックは、そのバランスを取るための、賢い選択肢の一つです。