偽薬を疑ったときの通報方法:当局に連絡する正しい手順
- 三浦 梨沙
- 16 1月 2026
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あなたの手元の薬が本物かどうか、不安になったことはありませんか?薬のパッケージに spelling のミスがある、錠剤の色や形がいつもと違う、効き目が全くない…そんなときは、ただ「おかしいな」と思うだけでは危険です。偽薬は、有効成分が入っていなかったり、毒物が混入していたりする可能性があります。世界保健機関(WHO)によると、発展途上国では薬の30%が偽物であると推定されており、日本でもオンライン購入の増加とともに、偽薬のリスクは高まっています。でも、どうすれば正しく通報できるのでしょうか?この記事では、偽薬を疑ったときに取るべき具体的な行動と、どの機関に連絡すべきかを、日本とアメリカの事例を交えてわかりやすく解説します。
偽薬とは何か?危険性を理解する
偽薬(フェイクドラッグ)とは、製造元や成分、有効成分の量を偽った薬のことです。単に「本物じゃない」だけでなく、効かないだけでなく、命に関わる可能性があります。例えば、糖尿病のインスリンが偽物なら、血糖値が急上昇して昏睡状態に。抗生物質が効かない成分なら、感染症が広がり、耐性菌が生まれます。アメリカ食品医薬品局(FDA)のデータでは、2022年に押収された偽薬のうち、68%がオピオイド系、21%が勃起不全薬、9%が減量薬でした。これらの薬は、インターネットを通じて簡単に手に入りますが、96%のオンライン薬局が米国の法律を守っていません。
偽薬の見分け方を覚えておきましょう。よくある兆候は:
- パッケージにスペルミスや文法エラーがある(78%の偽薬に発生)
- ロット番号や有効期限が印刷されていない(63%)
- 錠剤の色、形、匂いが普段と違う(52%)
- 包装が粗く、シールがずれている(87%)
- 薬の名前が、正規品と似ていても少し違う(例:「Viagra」ではなく「V1agra」)
これらのサインが一つでもあれば、使用をやめて、すぐに通報してください。
日本で偽薬を疑ったときの通報先
日本では、偽薬の通報は厚生労働省と薬事・食品衛生審議会が担当しています。個人が直接通報できるのは、主に「薬の副作用・不具合報告システム」です。これは、医療従事者だけでなく、一般市民も利用できます。
通報方法は次の通り:
- 薬のパッケージと中身を、できる限りそのまま保存してください。包装、シール、錠剤、説明書をすべて残しておきましょう。
- 厚生労働省の「医薬品・医療機器等の副作用・不具合報告システム」にアクセスします。URLは https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000171648.html です。
- オンラインフォームに必要事項を入力します。必要な情報は:
- 薬の名前(正規品の名前と、あなたが持っているものの名前)
- ロット番号、有効期限
- 購入場所(オンラインショップの名前、店舗名、購入日)
- 服用した日時、体調の変化(吐き気、めまい、発疹など)
- 写真(包装と錠剤の写真を添付すると、調査が格段に早くなります)
厚生労働省は、2023年度に1,200件以上の偽薬通報を受け付け、そのうち37%が国際的な偽薬ネットワークと関連していると確認しています。写真付きの報告は、通常の報告より平均で5日早く調査が開始されます。
アメリカで通報する場合:FDAの2つのルート
もしアメリカで購入した薬を疑っている場合、またはアメリカの製薬会社の薬(例:Pfizer、Roche)を日本で手に入れた場合、アメリカ食品医薬品局(FDA)への通報も重要です。FDAには、一般市民向けと犯罪捜査向けの2つのルートがあります。
1. 一般市民向け:MedWatch(副作用・製品問題報告)
体調に異常があった場合、または薬の外見がおかしいと感じた場合は、MedWatch(www.fda.gov/medwatch)を使います。オンラインで22分ほどで報告できます。必要な情報は:
- 薬の名前と強度(例:Adderall XR 20mg)
- NDCコード(包装に印刷されている11桁の数字)
- ロット番号
- 購入先(Amazon、Instagram、個人輸入代行など)
- 服用後の症状(頭痛、動悸、意識障害など)
FDAは、電子申請の場合、72時間以内に自動で受付確認を送信します。2022年のデータでは、この方法で通報された偽薬の63%が、その後の調査で本物の偽薬製造拠点と結びつきました。
2. 犯罪捜査向け:Office of Criminal Investigations(OCI)
「この薬は大量に売られている」「同じ製品を複数の人に売っている」「ネットで広告を出している」といった、犯罪的な販売を疑う場合は、OCI(www.fda.gov/oci)に通報します。ここでは、警察レベルの捜査が開始されます。ただし、証拠が必要です:
- 購入した薬の写真(包装、錠剤、ラベル)
- 取引のやりとり(チャット履歴、メール、支払い記録)
- 販売者の名前や住所(わかれば)
OCIは、2022年に1,842件の偽薬事件を捜査し、187人の有罪判決を出しています。ただし、一般の消費者がこのルートを使うのは難しいので、まずはMedWatchで通報し、FDAが「犯罪的販売の可能性あり」と判断した場合に、OCIに引き継がれます。
製薬会社に直接連絡するのも有効
あなたが疑っている薬が、PfizerやRoche、Takedaなどの大手製薬会社の製品なら、直接連絡するのが最も早い解決法です。これらの会社は、専門の「偽薬対応チーム」を持っています。
例:
- ファイザー:Global Security Operations Center にメールまたは電話で連絡。2023年の報告では、4時間以内に返信が来ます。
- ロシュ:日本国内の代理店に連絡し、製品のロット番号を伝えると、24時間以内に本物かどうかを確認して返信します。
- 武田薬品:日本国内では「武田薬品品質保証部」に通報。公式サイトから問い合わせフォームがあります。
製薬会社は、偽薬の流通経路を追跡するためのデータを持っているので、FDAや厚労省に情報を提供する役割も果たします。あなたが通報した情報が、他の人の命を救う可能性があります。
国際的な通報:PSIとWHOのシステム
もし、海外の薬を購入し、それが偽物だとわかった場合、国際的な組織にも通報できます。
- Pharmaceutical Security Institute(PSI):世界中の製薬企業が参加する非営利組織。24時間対応のメール([email protected])で通報可能。27か国語に対応し、偽薬の確認精度は98.7%。ただし、医療従事者による確認が必要な場合があります。
- 世界保健機関(WHO):「Substandard and Falsified Medical Products Alert System」を通じて、偽薬の情報を世界に発信しています。2023年6月時点で、141カ国から1,500件以上の報告が集まっています。特に、マラリア薬、心臓病薬、抗生物質が多かったです。
これらの国際機関は、日本やアメリカの通報と連携しています。一度通報すれば、複数の国で調査が開始される可能性があります。
通報のコツ:証拠を守ることが命を救う
通報で最も重要なのは、証拠を壊さないことです。以下を必ず守ってください:
- 薬は絶対に飲まない、捨てない
- 包装、説明書、レシートはすべて保管
- 写真は、包装全体と錠剤のアップを、自然光で撮影
- 購入履歴(オンラインなら注文番号、支払い方法)をスクリーンショット
2022年に、ある薬剤師が偽のインスリンを報告した事例があります。彼女は包装に書かれたロット番号「XYZ12345」を写真で残し、FDAのOCIに送りました。その結果、12時間以内にそのロット番号が中国の偽薬工場と結びつき、20万錠の偽薬が押収されました。証拠があれば、捜査は劇的に早くなります。
通報後、どうなる?期待するべきこと
通報した後、すぐに「薬が押収された」「犯人が逮捕された」という連絡が来ることはありません。調査には時間がかかります。
- 厚生労働省やFDA:通常10営業日以内に受付確認が来ます。その後、調査状況の更新はあまりありません。
- 製薬会社:24〜72時間以内に、その薬が本物かどうかの確認が来ます。
- OCIやPSI:高優先度のケースでは48時間以内に連絡が来ることがあります。
もし10日以上経っても連絡がない場合は、再度連絡して「報告番号を教えてください」と尋ねてください。多くの人が「無視された」と感じますが、実はシステムは動いています。通報は、あなたの個人的な問題ではなく、社会全体の安全を守る行為です。
今後の対策:AIとブロックチェーンで偽薬は減る
2024年から、アメリカでは薬の流通にブロックチェーン技術が導入され始めます。各薬のロット番号が、製造から薬局まで追跡可能になります。日本も2025年以降に同様のシステムを導入する予定です。
さらに、WHOは2025年第二四半期に、スマホで偽薬を写真撮影して即座に検査できるアプリをリリース予定です。そのとき、あなたが通報する手間は、今よりずっと少なくなるでしょう。
今、あなたが手に取った薬が怪しいと感じたら、その一瞬の判断が、誰かの命を救う可能性があります。偽薬は「誰かのせい」ではありません。あなたが通報することで、犯罪者を特定し、次に買う人の命を守ることができます。
偽薬を疑ったとき、まず何をすればいいですか?
まず、その薬を飲まないでください。パッケージ、錠剤、説明書、レシートをすべてそのまま保管してください。次に、厚生労働省の「医薬品・医療機器等の副作用・不具合報告システム」または、アメリカのFDAのMedWatchに、写真付きで通報してください。証拠を壊さないことが、調査の成功の鍵です。
通報した後、どのくらいで返事がきますか?
厚生労働省やFDAの電子通報では、通常10営業日以内に受付確認が来ます。製薬会社に直接連絡した場合は、24〜72時間以内に本物かどうかの確認が来ます。捜査の進展については、個人には情報が提供されないことが多く、これは調査の秘密を守るためです。
オンラインで買った薬が偽物だった場合、返金はできますか?
オンラインの不正業者から購入した場合、返金はほぼ不可能です。多くのサイトは海外にあり、詐欺目的で運営されています。大切なのは、返金ではなく、その薬を通報して他の人を守ることです。通報が、今後の規制強化につながります。
偽薬の報告は、匿名でも大丈夫ですか?
はい、匿名で通報できます。厚生労働省やFDAは、個人情報を必要としません。ただし、連絡先を残しておくと、追加の情報が必要な場合に連絡が可能なので、できるだけメールアドレスや電話番号を記入することをおすすめします。
偽薬を報告すると、報酬はもらえますか?
日本やアメリカでは、一般市民が偽薬を報告しても報酬は出ません。ただし、製薬会社の中には、重大な情報を提供した場合に謝礼を出すケースもあります(例:ファイザーの内部通報制度)。しかし、報酬を目的にするのではなく、社会の安全を守るための行動として通報することが重要です。